耐震改修の実例
京都大学吉田泉殿
昭和9年に建てられた京町家
京都大学が保有するこの「吉田泉殿」は、当初は荒れ果て、耐震評点が0.2というものでした。そこで、当初の持ち味を生かし、様々な耐震要素を工夫し改修工事の設計及び施工を、里仁舎で行いました。
京都大学には多くの研究所と研究センターが、宇治キャンパスをはじめ各地にあります。以前は、その研究所と研究センターの方々が、京都大学のある吉田地区で集まる場所がありませんでした。そのため、この建物を改修することになりました。 研究会やセミナー、その他あらゆる教育・研究・社会貢献の活動のために「京都大学吉田泉殿」は生まれ変わりました。
この地域には、京都大学の清風荘など、日本建築が多く並んでいます。そのことを意識し、この吉田泉殿も、木造住宅での耐震性と腐朽菌やシロアリに対する劣化に関する診断を行い、耐震補強と長期維持のための工夫を行いました。
この町の歴史
吉田泉殿
京都市左京区にある百万遍交差点の近くに、この「京都大学吉田泉殿」はあります。
「京都大学吉田泉殿」とこの近辺の町名「吉田泉殿町」は、西園寺公経(百人一首の「入道前太政大臣」)が公家たちの遊興の場とした、別荘「吉田泉殿」に由来します。
また、百万遍の交差点西南角近くには、吉田泉殿が所在していたことを示す碑があります。
ちなみに「百万遍」の名は、元弘元年(1331年)の疫病の大流行に、知恩寺の八世善阿空円上人が百万遍念仏を唱えたところその疫病が収まり、後醍醐天皇から百万遍という号を賜ったと伝えられています。
改修後の写真集
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