「木の家」は自然の力や効用を活用する
わが国の一般的な木造建築の在来工法は、柱や梁、小屋梁、桁材などに比較的太い木材を使用し、構造上必要な壁をつくります。 品確法の施行以降、新たに耐震等級というグレードが設けられました。実大実験などにおいてこれまで解明できなかった問題などの実証的な研究がなされ木の家の耐震性、安全性が確認されています。
木材の引っ張り強度は鉄よりも強く、圧縮強度はコンクリートよりも強いとされています。 構造がしっかりしていれば地震にとても強いのです。 当社では、新築・増改築を問わず全棟構造計算を行っています。
物質 | 温度 | 熱伝導率 |
鋼(ステンレス) | 0 | 21.1 |
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コンクリート | 常温 | 0.860 |
木材(スギ、 密度0.30~0.45) |
20 | 0.08 |
木材(ヒノキ、 密度0.30~0.45) |
20 | 0.11 |
熱伝導率は、熱の伝わり方の速度を表す値です。木材の熱伝導率はコンクリートと比べ11分の1で、熱を伝えにくく、急激な温度変化をしません。
木材は、組織構造が多孔性であり、完全に密封されていない中空層を多く含んでいます。そのため、密度が低く熱伝導率は小さいというわけです。木は自然の断熱材でもあるのです。また、手で触ると熱が奪われにくいため、暖かさも感じることができます。
熱伝導率(kcal/m・h・℃)※出典 理科年表など
森を歩くとすっきりとした気分になるのは、木の精油成分「フィトンチッド」と呼ばれる木の香りの効用です。このフィトンチッドは、木が外敵から守るために発する香り(生物忌避効果)で、研究の結果、木の香りは血圧が下がったり、脈拍の乱れが少なくなるなど、人間によい効果を与えてくれることが実証されています。このように木の家には、人を心地良くさせてくれる効果があります。
また、木の家では家全体が呼吸をしていますので汚れた空気や湿気を自然換気し、快適な室内空間を作ることができます。 木材は吸・放湿性に富む材料なので、多く使用することで建物内の湿度は変動が小さくなり、結露も防止できます。
木は自力で燃焼を進めていくことが苦手で自然消火することがよく見られます。また、火が付いてしまったとしても柱のような厚材では表層が燃えて炭化層をつくって酸素の供給をたち、内部には火が到達しづらくなります。鋼材の場合には500~800℃で飴のようにぐにゃりと曲がってしまいますが、木材は1,000℃以上でも倒壊しないことが検証されています。
この木の特性を活すと「燃えにくい」設計を行うことができます。
建築材料には、木材のほか鋼材、アルミニウム、コンクリートなどが使われています。鉄骨やコンクリートに比べて、木材は製造にかかるエネルギー(CO2排出量)がもっとも少ない、環境にやさしい省エネ材なのです。※下図参照。
また木造軸組工法、鉄筋コンクリート(RC)造、鉄骨構造(S造)を比較すると一戸当たりの炭素:C貯蔵量は木造住宅が最も大きな値になっています。
木材は、森林から永続的に産出される再生産可能な資源です。改めて地球環境を考えるとき、木材を活かした木の家が一番です。森林を適正に管理して、伐採・植樹・育林を繰り返し、木を積極利用することにより地球温暖化防止にも貢献することになります。